こんにちは、Kennyです!前回労働関連法規の制定背景と労働基準法の一部について見てきました。
前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論17 労働関連法規<労働基準法・前半>
今日は労働基準法の中でも労働時間や休日、解雇などについて見ていきましょう。
6.労働時間・休日
週法定労働時間は背景で見た通り現在40時間、1日8時間です。10人未満の商業や映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽行などの特殊事業場においては週44時間までです。
36協定(サブロク協定)
労働基準法第36条に基づく協定です。労働者代表者と使用者間で書面にて合意の上、所轄労働基準監督署に届け出ることで、時間外労働や休日労働が可能になる例外的な対応です。
元々の労働基準法における原則的上限は時間外労働が月に45時間、年360時間です。一方の36協定による上限(特別条項)は月100時間未満、かつ原則上限の45時間を超えるのは年間6か月まで、かつ超過した時間外労働時間の月平均が80時間未満です。どちらも違反すると罰則があります。
みなし労働時間制(定めた時間労働したとみなす制度)
1.事業場外労働制
事務所の外で働く。労使協定必要なし。
2.裁量労働制
1)専門業務型裁量労働制
研究職のように具体的な労働内容の指示が難しい専門的業務などに適用する。労使協定を所轄労働基準監督署に届出必須。
2)企画業務型裁量労働制
経営、人事、経理、営業、広報など様々な職種で、企画・計画を立てる業務に適用できます。悪用されうる制度のため、採用条件は厳しくなっています。労使委員会を設置し、4/5以上の多数で内容を明確にし、所轄労働基準監督署に届出なければなりません。
休憩
- 労働時間が6~8時間:45分間以上
- 労働時間が8時間を超える場合:1時間以上
休憩は労働時間の途中に、一気に与え、自由に過ごすことができるようにしなければなりません。
休日
- 原則:毎週1日以上
- 例外:4週間で4日以上
年次有給休暇
雇用開始から6か月間勤務し、そのうち80%以上の出勤をした労働者には有給休暇を10日与えなければなりません。最初の有休付与から2年間は1日ずつ増え、その後は2日ずつ増やさなければなりません。
所定労働日数の少ないパートタイマーでも、上の基準を基に、労働日数に比例して有給休暇を与えることになっています。これを「有給休暇の比例付与」といいます。
また、有給休暇を年5日間取れていない従業員には、企業側が時季を指定して取得させなければなりません。もちろん、指定にあたっては従業員の意見を尊重するよう努めます。
産前産後の休業
出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合14週間前)の女性が休業を請求した場合には、休業させなければなりません。産後は8週間以降でなければ就業させてはいけません。しかし、本人の希望があった場合には医師が支障なしと判断した業務にのみ産後6週間経過後から就かせることができます。
育児時間
生後1歳未満の子どもを育てる女性は、休憩時間のほかに1日2回、それぞれ少なくとも30分以上、子どもを育てるための時間を請求することができます。
労働時間等の既定の適用除外
以下の労働者は労働時間・休憩、休日に関する規定は適用されません。ただし、有給休暇や深夜の割増賃金は適用されます。
- 農業、水産業に従事する者
- 管理監督者、機密の事務を取り扱う秘書室長
- 宿直、当直
7.解雇
解雇とは、使用者が労働契約を解除し、労働者を辞めさせることを言います。解雇は使用者の権利ではあるものの、労働者の生活に及ぼす影響が大きいため、労働者を保護するために一定の制限があります。
解雇制限期間
この期間は解雇してはいけません、という期間があります。これにも原則と例外があります。
✓業務上のケガや病気のために休業する期間+復帰後30日間
✓産前産後の女性が休業する期間+復帰後30日間
✓業務上のケガや病気のために3年間休業したが治らず、打切補償(平均賃金の1200日分)を支払った場合
✓『原則』の期間中で、天災事変などにより事業の継続が困難になった場合
解雇予告
労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。
解雇予告の適用除外
臨時的な労働者については解雇予告せずに解雇できますが、一定期間を超える場合には解雇予告が適用されます。例えば、日雇いで1か月を超える場合、使用期間中で14日を超える場合などです。
明日は労働安全衛生法について見ていきます!今日もありがとうございました~!
次の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論18 労働関連法規<労働安全衛生法>