こんにちは、Kennyです!前回は人的資源管理の中で特に雇用管理について、採用から退職にいたるまでの流れでの管理手法や関係するワードについて見ていきました。
前回の記事はこちら→【独学・中小企業診断士】【独学・中小企業診断士】企業経営理論14 人的資源管理<雇用管理>
本日は採用した社員の「能力開発」と「人事評価」について見ていきましょう。
能力開発
能力開発で言う能力とは、職務遂行能力、つまりその職務を遂行するために必要な能力のことを指します。この能力を開発する方法は大きく3つあります。会社が機会を提供する「OJT」、「Off-JT」、そして従業員が自ら行う「自己啓発」です。順番に見ていきましょう。
1.OJT(On the Job Training)
日常の業務を行いながら、上司、先輩が教えていく方法です。実際の業務を行いながらのため、実務能力を高めるには非常に有用です。一方、育成効果が上司の指導力に依存することや、目の前に起こってきた業務の順序で学ぶため、体系的な指導が行いにくいというデメリットがあります。
2.Off-JT(Off the Job Training)
会社発信で、日常業務とは別に、現場から離れた場で行う方法です。集団研修やセミナーなどが代表例です。体系的かつ計画的に学ぶことができる反面、コストがかかり、自社でのやり方でなく実務能力に直結しない場合もあります。
3.自己啓発
社員自身が自ら勉強を行う方法です。セミナーへの参加や資格取得のための勉強などが挙げられます。学習機会の有無やその多寡は本人の意思に依存します。
人事評価
以前は人事考課と呼ばれ査定が中心でしたが、近年ではCDP(Career Development Program)の視点から、本人へのフィードバックを含めた制度が重要となってきています。
評価項目
人事評価の評価項目には大きく3つが挙げられます。
- 能力(職務遂行能力)
- 業績(仕事の成果)
- 情意(勤務意欲・態度、協調性など)
評価方法にまつわる用語
絶対評価
設定した評価基準に基づき評価する方法です。
相対評価
従業員の中で優劣を決める方法です。
目標管理制度(MBO; Management By Objectives)
従業員とその上司が面談で個人の業績目標を設定し、その達成度合いで評価する方法です。与えられた目標ではなく、設定に従業員自身も参加しているため、自分事として考えやすくモチベーションにつながります。一方で、目標が低くなりがちであり、業務によっては目標設定しにくいものがあったり、上司の負担が増えるというデメリットもあります。
コンピテンシー評価
コンピテンシーとは行動特性のことです。高い業績を上げている人をサンプルとして抽出し、その行動を分析して、どのような行動が好業績につながるかモデル化したものです。それを基準にして人事評価をするものです。
360度評価(多面評価)
上司だけでなく、同僚や部下や他部門などの多くの視点から評価を行う方法。
評価における心理的誤差
もちろん評価は公正に行われることが最も重要なことですが、人が行うものである以上、多かれ少なかれ偏りが生じる場合があります。どんな誤差があるかを知ることが、誤差の対策を取る上で第一歩になります。
ハロー効果
一部の目立つ点があると、他の項目の評価もつられてしまうこと。良い評価をする、悪い評価をする場合の両方ある。
論理誤差
ある要素が優れていると、関連する他の要素も優れていると事実確認せずに推論してしまうことです。
対比誤差
評価者が自身と対比して評価してしまうことによる誤差です。評価者の得意不得意により、評価が厳しくなったり、甘くなったりします。
寛大化傾向
評価に対して反発されることを恐れて、評価が甘くなってしまう傾向。評価者の自身の欠如からきます。
中央化傾向
評価者が極端に高い、あるいは低い評価をつけずに、中程度付近の評価が多くなる傾向のことです。
本日もありがとうございました~!
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