こんにちは、Kennyです!前回はどんなリーダーシップの発揮の仕方があり、どんなリーダーが求められるのかについて見ていきました。
前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論12 リーダーシップ論
本日は、組織論の6回目、「組織活性化と組織学習」について見ていきましょう。
組織の活性化
組織が目標を達成するためには、組織自体を活性化していく必要があります。どのように活性化していくのかを見る前に、どのような状態が活性化した状態なのか、そのゴールを見ていきましょう。
活性化した組織の条件
1.メンバーが目的・価値を共有している
2.目的・価値を能動的に実現しようとしている
サイモンは1.の状態の程度を「一体化度」と呼びました。メンバーが組織の目的・価値を共有しているとき、そのメンバーは組織と「一体」となっているのだと説いています。一体化度が高くなるのは、他集団と競争しているとき、集団の威信が高まるとき、集団の凝集性が高いとき、そして、集団内で個人の欲求が満たされるときなどです。
2.に関しては能動的かどうかを測るためには、逆に受動的かどうかを見ればよいとして、バーナードが「無関心度」とうものを提唱しました。無関心度とはメンバーが無関心である領域、無関心圏の広さです。無関心圏では人は特にこだわりを持たないため、仮に上司が命令しても特に反論はしません。無関心度が高いと従順とも受け取れますが、実際は受動的で、言われたことしかしない、という状態です。
組織活性化のフレームワーク
先述の「一体化度」と「無関心度」をそれぞれ縦軸、横軸として、メンバーを4つのタイプに類型化することができます。
タイプ1:受動的器械型
組織の命令に忠実ですが、自ら行動を起こすことはしません。目的・価値を共有しているため、動機付けは特に問題になりません。
タイプ2:疎外労働者型(官僚型)
無関心度が高く、命令や指示には従いますが、目的・価値は個人と組織で異なります。そのため、勤労意欲をいかに高めるかが課題になります。
タイプ3:問題解決者型(意思決定者型)
目的・価値が組織と個人で一体化し、かつ能動的に行動できます。このタイプ3に分類されるメンバーが多い組織が、活性化された組織と言えます。
タイプ4:非貢献者型(非構成員型)
無関心度が低いため、指示に従順ではなく、さらに一体化度も低いため、目的・価値の違いから勤労意欲も低い。実質的には組織のメンバーとは言えません。
ナレッジマネジメント(knowledge management)
ナレッジマネジメントとは組織や社外にあるナレッジ(知識)を管理して、新しい価値を生み出す資産に変える経営管理手法です。
知識や情報はただ蓄積しても、使える状態になっていなければ資産とは言えません。ここでは、日々蓄積される知識・情報をどのように資産に変えていくかについて見ていきます。
SECIモデル
野中郁次郎が提唱する知識創造のプロセスです。
- 共同化:暗黙知同士を結んで共有する
- 表出化:暗黙知を洗い出して形式知化する
- 連結化:形式知同士を組み合わせて新たな形式知を作る
- 内面化:得られた新たな形式知を暗黙知化するまで浸透させる
組織学習サイクル
組織学習は以下のサイクルを通じて行われると言われています。
- 組織行動がどのような結果につながるかを観察・分析し、それに基づいて個人の信念・知識を修正する
- 個人が修正された知識を基に行動する
- 個人個人の行動の修正が組織の行動に変化をもたらす
- 組織の行動が修正された結果、結果に何らかの変化が起こる
不完全な組織学習サイクル
企業のライフサイクルのフェーズ4「精巧化段階」に到達して安定化した企業では、おうおうにして組織学習サイクルの過程で不完全になる傾向があります。
- 曖昧さのもとでの学習:組織行動の結果を適切に分析できない
- 役割制約的学習:個人の信念・知識が修正されても行動まで変わらない
- 傍観者的学習:個人は信念・知識が修正され行動も変わるが、組織全体にまでは広がらない
- 迷信的学習:組織の行動が変わってもそれが環境の変化につながらない。両者の間に因果関係が無いまたは低い場合に起こります。
組織学習のレベル
組織学習には以下の2つのレベルがあります。
低次学習
シングルループ学習とも言い、行動と結果のみを見て改善します。部分的、表層的な修正となります。組織のすべての階層で行われます。
高次学習
ダブルループ学習が含まれます。結果に至る行動だけでなく、その行動に至る前提から改善する学習方法。既存の枠組みを越え、根本的解決につながります。組織の上位階層が行うことが多いです。
本日もありがとうございました~!
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