こんにちは、Kennyです!前回はチャネル戦略について勉強しました。
前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論28 チャネル戦略
今回はマーケティングの4Pの最後の1つ、Promotionに関する戦略について見ていきましょう。
プロモーションミックス
これまでもマーケティング・ミックスやプロダクト・ミックスなど、〇〇・ミックスという言葉は何度か出てきたと思います。プロモーションミックスとは、プロモーション手段の組み合わせを意味します。この組み合わせをどうするかが、プロモーション戦略における1つの大きな課題になります。
まずは、どのようなプロモーション手段があるかを見ていきましょう。
- 人的販売
- 販売促進(セールス・プロモーション)
- 広告
- パブリシティ
人的販売
概要
販売員が直接顧客に説明して販売する手法です。個別にニーズを引き出せるので、ニーズに合った対応ができます。一方で、販売員が対応できる顧客の数には限りがある他、対応の質は販売員の知識・能力に依存します。
必要な知識
販売員には以下の知識が必要になります。
- 企業のビジョンや歴史、文化などの企業に関する知識
- 製品のメリット、デメリット、素材、使い方、メンテナンス方法など
- 顧客の購買履歴や悩みなどの知識
- 提案や問題解決、受注をするための知識
販売促進(セールス・プロモーション)
概要
販売促進はSales PromotionでSPとも呼ばれます。これは販売を促進してもらうために関係者に提供するインセンティブのことです。以下のような種類があります。
消費者向けSP
- プレミアム:製品購入時におまけを提供する
- ノベルティ:販促品を無料配布する
- サンプリング:試供品を提供
- 実演販売:実際に使っている様子を見せる
- クーポン:一定額を値引きする
- ポイントサービス:ポイントを付与する
流通業者向けSP
- リベート:一定の売上達成などで報酬を出す
- アロワンス:メーカーが小売店や卸売業者に協賛金を出す
- ディスプレイ提案:ディスプレイの仕方を提案する
社内向けSP
- マニュアル、研修、セミナー:セールスの仕方を説明
- コンテスト:上位達成者に賞品を出す
広告
概要
消費者に製品について宣伝し、消費者に認知してもらうことで、購買につながるきっかけを作るものです。様々な媒体があり、それぞれ到達範囲(Reach、どれだけの人に接触するか)、露出頻度(Frequency、どれだけの頻度で接触するか)、衝撃度(Impact、どれだけ印象に残るか)、そして広告にかかるコストが異なります。
広告媒体の種類
- インターネット広告:低コストで双方向性あり、広告効果の測定が容易
- テレビ:コストが高く露出頻度が低いが、映像のためインパクトが大きい
- ラジオ:コストが低いが、露出頻度が低く、音のみでインパクトも小さい
- 雑誌:高品質で残りやすいが、掲載まで時間がかかる
- 新聞:タイムリーに掲載できるが、すぐ捨てられる
- 屋外広告:露出頻度が比較的高い、対象を選べない
- ダイレクト・メール(DM):対象が選べるが、読まずに捨てられる場合も
3つのデジタルメディア(トリプルメディア)
ペイド・メディア(Paid media)
企業がお金を支払って載せる広告のことです。以下のようなものがあります。
- バナー広告:Webページに旗のように表示される広告
- リスティング広告:検索結果に広告ページをリストしてもらう
- ポップアップ広告:Webページを開くと広告がポップアップ(別画面で浮き出るように)表示されます
オウンド・メディア(Owned media)
企業が持つ自社HPやECサイト(Web上の製品販売サイト)です。
アーンド・メディア(Earned media)
企業が獲得したメディアのことで、商品を購入した消費者が発信した情報です。代表的なものに口コミがあります。
口コミ
Word of Mouthを略してWOMとも呼ばれます。消費者同士で行う製品に対する情報交換のことです。口コミには実体験を通して初めて入手できる「経験属性」が豊富に含まれています。インターネットやSNSが発展した現在においては特に入手がしやすく、個人が購入を決定する際の重要性が増しています。
パブリシティ
PR(Public Relations)の手法の1つで、マスコミに報道してもらう手法。報道するかはマスコミ側に決定権があるため、マスコミが報道したくなるように働きかける必要があります。報道されれば、無料で広くプロモーションができる他、広告より客観的な情報として顧客に捉えてもらうことができます。
統合型マーケティング・コミュニケーション
これまで、プロモーション手段をいかに組み合わせるかについて見てきましたが、近年、この組み合わせの発想から、別々のプロモーション手段を顧客とのコミュニケーションとしていかに統合するかという発想に変わってきています。統合することで、企業として一貫したメッセージを発信することができます。Integrated Marketing Communicationを略してIMCとも呼びます。
本日もありがとうございました~!これで企業経営理論は完結です。
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