こんにちは、Kennyです!これまで企業経営理論①~⑥にわたって経営戦略論について見てきました。いよいよ今回で経営戦略論の最終回です。
これまでの経営戦略論の記事はこちら→
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論1 概要
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論2 ドメイン
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論3 成長戦略
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論4 競争戦略
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論5 イノベーション
【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論6 R&D
国際経営戦略
グローバル戦略
世界を1つの市場と捉え、その1つの市場に対して同一の製品を投入する戦略です。現地市場に合わせる必要が低い製品で選択可能な戦略です。親会社がリーダーシップを取り、各国の拠点を1つの事業部と捉えることで、各機能をその機能を最も効率よく果たせる拠点で行うことで、規模の経済を働かせます。
マルチドメスティック戦略
世界を独立した市場の集合体として捉え、それぞれに合った製品を投入します。各機能も各国の拠点にて行うことで、各地のニーズにきめ細かな対応をすることができます。
海外展開の対応
海外展開によって、新たな市場を獲得でき企業の成長につながる一方、乗り越えるべき多くの課題があります。そのいくつかについて列挙します。
- カントリーリスクへの対応
- 単独出資ができない場合はパートナーとなる現地企業の確保
- 現地市場への浸透のための現地人材確保
企業の社会的責任
言わずもがな企業は営利集団です。では、企業は利益だけを上げていればよいのでしょうか。そうではありません。企業はその活動において多くの人に影響します。その利害関係者「ステークホルダー」に対して責任ある行動をしましょうね、というのが、「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility; CSR)です。
国際標準化機構が定めるCSRの国際規格(ISO26000)が存在し、日本ではJIS Z 26000「社会的責任に関する手引き」として普及しています。近年話題に上がっているESGやSDGsはCSRに関連する動きですので見ておきましょう。
ESG
ESGとは企業の評価をする際に、これまでは主に財務情報でその企業の評価が行われていましたが、以下の非財務情報も評価の中に含めようという動きです。
- Environment 環境
- Social 社会
- Governance 統治
SDGs
SDGsはSustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、国連が採択した2016年から2030年までに達成すべき目標です。国際的にみんなでこの目標に向かって取り組んでいこうという流れがあり、そこに向かっているか否かが投資の材料にされるなど、企業にも影響を与え始めています。
コーポレートガバナンス
Governanceは先のESGの項でも出てきましたね。Corporate governanceは企業統治とも訳され、簡単に言うと、企業の経営者を監視する仕組みです。元々米国で提唱された概念です。会社は経営者のものではなく、株主のものであるという考えのもとで、経営は経営者に任せるけれども、不正は行っていないか、利益を高めるために手を尽くしているかをチェック、監視します。主な統治手段は以下の通りです。なお、株主優先の米国と、従業員優先の日本とでは仕組みが異なります。
- 内部統制
- 社外取締役、社外監視役の設置
- 委員会設置(指名委員会、報酬委員会、監査委員会など)
ファミリービジネス(同族経営)
創業者一族によって所有、経営されるビジネスをファミリービジネスと呼び、中小企業では特に多く見られます。
✓長期的視点で経営をすることができる。
✓所有者と経営者が一致することが多く、意思決定が迅速にできる
✓オーナーの公私混同、独善的経営に陥りやすい
✓経営者候補が一族の人になりがち
ファミリービジネスは家族関係と社内関係が良くも悪くも絡みあいます。経営上の問題解決には関係者がどのような立ち位置にいるのかを正確に把握する必要があります。そのためのフレームワークがスリーサークルモデルです。
本日もありがとうございました~!
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