こんにちは、Kennyです!前回はイノベーションの概要について見ていきました。
前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論5 イノベーション
今回はイノベーションの根源となる研究開発について見ていきたいと思います。
企業は研究開発を行い「新しい」技術を発見(=イノベーション)し、それを用いた製品を作っていくことで、競争優位性を得ることができます。しかし、実際に行うとなると多くの困難が立ちはだかります。まずは研究開発から見ていきましょう。
研究開発(R&D)
研究開発は企業の持続的成長に欠かせないものであることから、企業によってはResearch and Development(R&D)という社内部門を作っているところもあります。皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
研究開発(R&D)の種類
- 基礎研究(理論的・実験的研究):仮説や理論形成のための研究
- 応用研究(探索的研究):基礎研究によって発見されたものを実用化するための研究。
- 開発研究:基礎研究・応用研究をもとに実際の製品やサービスを開発するための研究
研究開発(R&D)組織形態の種類
研究開発を促進するため、さまざまなしくみが生み出されてきました。
製品開発部門
製品の企画・開発を常に行っている組織です。企業の中の立ち位置としては、1つのSBU(戦略的事業ユニット)として存在します。
社内ベンチャー(社内起業)
社内に独立性の高い集団を設けて、企業の人材、資金、ノウハウなどの経営資源を利用して、既存事業にとらわれない製品開発を行う。以下のようなメリットがあります。
- 成果をあげるまでの時間が短縮できる
- 中間管理職にトップ・マネジメントの経験をさせられる
- 新規事業の「学習装置」になる
イノベーションマネジメント
バウンダリー・スパンニング
バウンダリーは組織の内外の境界線。イノベーションを促進するために、組織内では予算の獲得や情報収集、企業外では連携を取るといった活動を行います。
ステージゲート管理
進捗管理方法の1つで、プロジェクト管理に用いられ、新製品開発に利用される。あるステージから次のステージに進めるかいなかの基準となるゲートを用意しておき、通過の可否をそれぞれのステージ間で行う手法。
OEM
OEMとはOriginal Equipment Manufacturingの略で相手先のブランドによる委託生産をする方式のことです。技術革新のスピードが速いと、生産設備への投資がリスクとなりやすい。そこで、自身は研究開発やブランド力維持に力を注ぎ、製造は外部に任せるという戦略が有効になる場合がある。
イノベーションでの3つの障壁
研究開発から製品開発へは容易には進みません。その過程で直面する障壁として以下の3つが提唱されています。
魔の川(デビルリバー)
基礎研究から実用化のための応用研究に進む際の障壁です。産学連携で、回避が可能な場合があります。
死の谷(デスバレー)
応用研究・開発研究と事業化の間にある、人材不足や資金不足などの障壁。
ダーウィンの海
激しい生存競争の中で生き残れるかを、ダーウィンの『進化論』になぞらえて提唱されました。
製品開発
製品アーキテクチャ
アーキテクチャはもともと建築分野の用語です。製品を設計する際に、その製品のどの構成部品に必要な機能を持たせ、その部品同士をどのようにつなぐかを製品アーキテクチャと呼びます。
製品アーキテクチャは大きく2つに分けられます。
インテグラル型
すり合わせ型とも言い、部品同士をお互いに調整し、全体として機能するようにする設計方法です。車のように各部を調整する必要があります。
モジュール型
組み合わせ型とも言い、既存の部品を組み合わせて製品を作る設計方法です。イメージ的には箱になった部品を組み入れる、組み替えて作ります。PCがイメージしやすいでしょう。現代においてモジュール化が非常に進展しており、さまざまな影響が出ています。
- 価格競争になりやすく、コモディティ化しやすい
- モジュールごとに開発を進めることができる
- 製品ライフサイクルが短縮する
本日もありがとうございました~!
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