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【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論5 イノベーション

 こんにちは、Kennyです!今回は企業経営理論の経営戦略論の現代の戦略について見ていきましょう。「技術経営とイノベーション」、「国際経営とグローバル戦略」などについて取り上げていきます。残り2,3回で経営戦略論については終了する予定です。

前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論4 競争戦略

技術経営とは

 Management of Technology(MOT)とも呼び、技術ベースの事業を行う企業が、その技術が持つ可能性を事業に結び付けて、経済的価値を生み出すマネジメントのこと。

イノベーションとは

 イノベーションはずばり「革新」です。しかし、一般に「革新的」などというと、非常に画期的で派手な内容をイメージしがちですが、イノベーションはもっと広い概念です。たとえば、以下のようなものがイノベーションに含まれます。

  • 新しい製品を開発(製品革新、プロダクトイノベーション)
  • 新しい仕入れ先の開拓
  • 新しい販売先の開拓
  • 新しい生産方法の導入(工程革新、プロセスイノベーション)
  • 新しい財貨の開発

 キーワードは「新しい」です。新規開拓も立派なイノベーションというわけです。

 また、連続性の観点から見ると2つに分類されます。漸進的で既存のものの延長にあるインクリメンタル・イノベーションと、非連続的でこれまでにない画期的なものを生み出すラディカル・イノベーションがあります。既存製品を改善するインクリメンタル・イノベーションに注力しすぎて、ラディカル・イノベーションについていけなくなることがあり、注意が必要です。これを「イノベーションのジレンマ」と呼びます。

生産ユニット(Productive unit)の進化過程

 イノベーションの繰り返しでイノベーションの対象や種類が変わっていきます。そのきっかけになるのが「ドミナントデザイン」というものです。新しい製品市場の中で、多くの企業がイノベーションを競い、その業界でスタンダードとなる製品を作ろうとします。新たな製品市場で標準となったデザインをドミナントデザインと言います。

 ドミナントデザインの前後でどのような段階があるか、見ていきましょう。

1.流動化段階

 顧客のニーズも定かでなく、製品の性能や基準も決まっていない。プロダクトイノベーションが起こりやすい。ドミナントデザイン確立を目指している段階。

2.成長段階

 ドミナントデザインが確立された段階。製品イノベーションは減り、逆にいかに効率よく製造するかのプロセスイノベーションが増えてくる。

3.特定化段階

 ドミナントデザインを製造するためのプロセスイノベーションも一通り起こった後の段階。参入企業が増加し、製品の差別化が困難となり、価格だけの競争となってしまったコモディティ化した製品を大量に効率よく作っています。
コモディティ化の3つの要素としては以下の通りです。

  • モジュール化
  • 中間財の市場化
  • 顧客価値の頭打ち

 これらの段階は不可逆的なものではなく、一定以上の垂直統合で脱成熟させて、ドミナントデザインが生まれる前の、流動化段階に戻すこともできる。

技術革新のS字カーブ

 努力に対して成果がどのように変化していくかを示したカーブはS字を描きます。

  • 初期段階:努力開始当初は努力をしていても成果が出ない
  • 普及段階:急激に努力が実を結ぶ
  • 成熟段階:成果を得るためにはそれまで以上の努力が必要

本日もありがとうございました~!
次の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論6 R&D

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