こんにちは、Kennyです!前回までは組織論の中の労働関連法規について見ていきました。
前回の記事はこちら→【独学受験・中小企業診断士】企業経営理論20 マーケティング論概要
前回、MarketingとSellingの違いを見た中で、Sellingは売り手のニーズに、Marketingは買い手のニーズにフォーカスする、と出てきましたね。まずは、買い手である消費者の心理や購買行動について見ていきましょう。
消費者の分類~イノベーター理論~
Innovators革新者(全体の2.5%)
「新しい」商品やサービスに我先に飛びつきます。感覚が一般とはかけ離れているため、Innovatorsが飛びついたから周りも飛びつこうという流れにはなりにくく、普及への貢献度は高くありません。
Early Adopters初期採用者、目利きの層(全体の13.5%)
新しい商品やサービスを採用しつつ、一般的な価値観も持ち合わせています。そのため、このEarly Adoptersが意見を言うと、他の消費者も追随してきます。そのため、オピニオンリーダーとも呼ばれます。
Early Majority前期大衆(全体の34.0%)
時期的に平均的なタイミングで商品やサービスを購入します。仲間と一緒に購入することが多くあります。
Late Majority後期大衆(全体の34.0%)
非常に購入に対して慎重で、社会集団の大多数が購入して、メリットもデメリットも分かってから購入します。このタイプの消費者に購入してもらおうとすると、強力に説得する必要があります。
Laggards採用遅滞者(全体の16.0%)
慎重を通り越して、完全に遅れています。このタイプの消費者が商品を買う頃には、Innovatorsは次の新しい商品、サービスを購入し始めています。
準拠集団Reference group
準拠集団とは
準拠集団とは、人の価値観や行動に影響を与える集団のことをいいます。あの集団みたいになりたい、という「願望集団」とああはなりたくないという「拒否集団」、「分離集団」とがあります。
準拠集団の関連用語
- 関与:消費者の購買行動に影響する、消費者自身のこだわりのことです。
- 自己高揚:他者から見える自身のイメージを良くしていこうとする欲求のことです。
消費者行動をどうやって分析する?
消費者行動の分析手法には以下のようなものがあります。
1.モチベーション・リサーチ 購買動機の探求
消費者の購買行動における潜在的な欲求を明らかにするための定性的研究手法です。質的研究であるこの手法は量的研究手法が出てからは客観性が低いことから一度衰退しました。しかし、インターネットの普及やテキスト・マイニングによりnを増やし、客観性を上げることができるようになり、再注目されてきています。
2.ブランド選択モデル 行動の測定と予測
マーケティングという刺激に対して消費者がどう反応するかを見たモデルです。
SRモデル
Stimulus刺激に対してどうResponse反応するか。刺激と反応の間はブラックボックスでわからないとします。
SORモデル
刺激Stimulusと反応Responseの間に生活体Organismがあり、消費者の心理的プロセスに着目します。
ハワード・シェス・モデル
SORモデルの代表例です。製品ライフサイクルの段階に応じて、3つの意思決定パターンに分かれ、それぞれ必要な情報量、意思決定にかかる時間が異なると提唱されています。
- 定型的問題解決行動
- 限定的問題解決行動
- 拡大的問題解決行動
上から下になるにしたがって、必要な情報量は多くなり、意思決定にも時間がかかり、関与(こだわり)も強くなります。
3.消費者情報処理理論 内的プロセスの解明
消費者を情報処理者として捉えます。目や耳で広告や口コミなどの外部情報を取得します。その外部情報をこれまでの経験・記憶といった内部情報と統合し、購買行動を起こします。購買行動で得られた経験はまた記憶されます。
4.精緻化見込みモデル
消費者が購買をする際には、刺激に対して合理的・論理的な考え方である中心的ルートと、感情的・非合理的な考え方である周辺的ルートがあるとするモデルです。
本日はここまでです。ありがとうございました~。
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